TRPG
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シンギンインザレイン(仮) のハンドアウトが来ましたよー!
世界設定(改)と同時につづきに収納。
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あとついでに設定テキスト改訂と追加分うpっときます。
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e901d9ed4be29d96ea5fb5b1a8b78256/1256888289
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e901d9ed4be29d96ea5fb5b1a8b78256/1257136902 (改訂ver1.04)
世界設定(改)と同時につづきに収納。
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あとついでに設定テキスト改訂と追加分うpっときます。
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e901d9ed4be29d96ea5fb5b1a8b78256/1256888289
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e901d9ed4be29d96ea5fb5b1a8b78256/1257136902 (改訂ver1.04)
世界観設定テキストを改めたので再度目を通しつつハンドアウトをどうぞ
http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e901d9ed4be29d96ea5fb5b1a8b78256/1256796373
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以下ハンドアウト。
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http://blog.cnobi.jp/v1/blog/user/e901d9ed4be29d96ea5fb5b1a8b78256/1256796373
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以下ハンドアウト。
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舞台 東京湾北西部に存在する海水淡水化プラントを基盤とし、滝宮グループによって統治された東京コロニー。 ・プラント周辺には企業ビルが立ち並び、複数の航空機を保有、これを使用した交易によってライフラインを維持している。 ・荒廃した世界においてなお高い水準の技術力を持つが、一次産業に乏しく食料のほぼ全てを技術輸出の対価で得た輸入食材や、企業が実験的に導入した合成食品に頼っている。 ・コロニー外縁部には対ジェーン用の高い防壁が張り巡らされ、その外側にはジェーン災害によって廃墟と化したビルの群れが立ち並ぶ。 ・防壁の内側には学校などの教育施設や病院、発電所、工場など災害以前の都市機能の殆どが過密状態で存在し、そのため環境汚染が酷く大気の影響で喘息患者が多い。 ・東京コロニーは都民をIDによって管理しており、IDを持たないものは買い物すらできない。IDにはランクが存在し、一般的に企業の上層部に近いほどランクが高い。 ・防壁の外側の廃墟には都民IDを持たない住民たちがスラムを形成、コロニーに寄り添うようにして生活している。 ・東京湾近海にはリヴァイアサン級ジェーン『ヨルムンガルド』が存在し、東京湾付近を航行する船舶を沈めてしまう。 ・都民は成人するとその希望や適正に応じて企業の用意した仕事を得る。 ・人口約●万人 ・水、食料は一日の供給量がIDによって管理されており、それを超える量は金銭で購入する必要がある。非常に高価。 過去に水、食料の供給が十分に行えず、多くの死者をだしたこともある。そういった事態に陥った場合、供給の優先順位はIDランクで決まる。 ・対ジェーン機関が存在する。オーガニゼーション参照 雑多キーワード 合成食品 偽造都民ID ◎オーガニゼーション ・イクス ジェーン殲滅機関。 対ジェーン戦闘に特化した戦闘部隊を保有し、聖痕発現者の調査なども行う。 イクスに所属するエージェントは執行者と呼ばれている。 執行者達はジェーンを狩るものとして一部から英雄視される一方で、人としての意識を残した聖痕発現者を狩ることも多いため、死神や不吉の予兆として扱われることも多い。 執行者は死亡率が高いため年々若年化傾向にあり、少ないベテランが多くのルーキーを支えるという構図が出来上がりつつある。 イクス上層部は失った人材を充填するため優れた人材を常に求めており、スカウト活動に余念がない。 最近では学業と執行者としての活動を両立させる者もでてきているが、そういった執行者は精神面等になんらかの欠点を抱える事が多く、こういった面からも年長の執行者の貴重性が増している状態にある。 ・滝宮グループ エーテルの有効利用法について研究し、様々な商品を開発している企業グループ。 エーテルを取り込んだ兵器開発の最先端を独走することで有名だが、その他にも様々な分野に進出している。 東京コロニーに本社を置き、東京コロニーを統治している。 以下ハンドアウト 荒廃した世界。 立ち並ぶ廃墟。 上昇する海面。 汚染される空。 これは、乾いた世界に生まれた人々の物語。 何かを護るために、何かを犠牲にしなければならない物語。 Singin' in the Rain trial 『守るべきもの』 やがて降る雨が意味するもの、それは…… PC1 東京コロニー所属の『執行者』 PC2の相棒 種別指定なし スタンス指定なし 精神スタンス指定なし シナリオロイス:大切な人 君はイクスに所属する執行者だ。 ジェーンと化した者を狩り、人々を守って雨を降らせるのが君の使命。 だが一方で君は疑問を抱いている。 人と変わらぬ姿をした変異前のジェーン達。 彼らを無慈悲に殺すことは、果たして正しいことなのだろうかと。 そんな君に新たな聖痕発現者の殲滅任務が与えられる。 標的を知らせる書類に記されていたのは、君の『大切な人』だった。 ※大切な人の詳細を設定するべし! PC2 東京コロニー所属の『執行者』 PC1の相棒 種別指定:人間 スタンス指定なし 精神スタンス指定なし シナリオロイス:同僚 君は過去にジェーン災害で大切な人を失った。 君の心にはジェーンに対する様々な感情が渦巻いている。 PC1とタッグを組んで以降、君は幾多のジェーンをその手にかけた。 殺さなければ、自分たちの身に危険が及ぶ。 だからこそ、次の標的がPC1の大切な人だと知った時も任務遂行の念は揺らがなかった。 PC3 種別指定:なし(ジェーン可、ただし人間の意思を持つこと) スタンス指定なし 精神スタンス指定なし シナリオロイス:大切な人(ガルーダ) 君は君の大切な人を媒介として覚醒したジェーン、ガルーダを追っている。 とある情報筋からガルーダが東京コロニー内に逃げ込んだという情報を得た君は、偽造IDを使って東京コロニーに忍び込んだ。 コロニー内で情報を集めていくうちに、君は『滝宮グループ』に関する黒い噂を耳にすることになる。 ※大切な人の詳細を設定するべし!
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無題
さてハンドアウトも出たので、ぼりやんとクマはやりたいキャストを選びつつキャラを考えてくださいな!
キャラについては
①能力タイプ(肉体・技術・精神・社会とか)
②使いたい特技(好きなように。調整はこっちでやるんで。)
③設定的に欲しい固有アイテム(そのキャラにとって特別な持ち物)
④使いたい装備(好きなようn)
⑤設定(好きn)
とか考えてみて下さい。
キャラについては
①能力タイプ(肉体・技術・精神・社会とか)
②使いたい特技(好きなように。調整はこっちでやるんで。)
③設定的に欲しい固有アイテム(そのキャラにとって特別な持ち物)
④使いたい装備(好きなようn)
⑤設定(好きn)
とか考えてみて下さい。
無題
そろそろさすがにキャスト決めていかないとまずいっすy
俺は3でいいかな?良ければついでに以下設定。
参考にならないだろうけd
-------------------------------------------------------------------------
初瀬野美耶(はつせのみや)
24歳 162cm まったり系
北海道のプラント無保持小コロニー出身者。
彼女が居たコロニーは近隣のコロニーと協力し合って、ジェーンを殺した時の雨を貯水する事で延命していた。
聖痕が出た者は皆の為に自ら名乗り出、殺される事を受け入れるような暗黙の強制があった。
彼女とその恋人も、どちらかに聖痕が出た時は互いに殺し、殺されようという約束をした。
しかしいざ聖痕が恋人に現れた時、彼女は殺せなかった。
ジェーン化の進行は遅く、恋人は彼女が自身を殺せないと知るや二人で逃げる事を選んだ。
そうして青森コロニーを目指して逃げる途中、これから先最後の蜜月をどうしようかと夢を見るように二人が語っている時、唐突に恋人のジェーン化が進んだ。
彼女は怪物と化した恋人に為す術もなく殺され、その死体は青森コロニーまであと少しという森の中に置き去りにされる。
そして1週間が過ぎた後、その遺体に聖痕が現れた。
蒸すような森の中で身体は腐り始めながらもジェーンへと変わっていく。
彼女はそうしてリビング・デッドとなったのだ。
脳も腐り始めていた彼女が覚えているのは、自分の名前や自分があるジェーンを追わなければいけない事。
そしてもう一つ、脳に焼き付いた決まり事。
それはジェーンは殺さなければいけないという事だ。
瞼に焼き付くその姿に会いにいかなければいけない、会いたいという衝動が湧き上がってくる。
会って、そして殺さなければ――。
--------------------------------------------------------------------------
(※プレイ的な面で言えば、普通に日常会話とか出来ます。金銭も持ってます。
ただ、微妙に記憶に穴が抜けていたり、水を全く飲まなくても平気だったり、そのくせ生肉を食べたがったりします。
人を襲って食ったりはしません。
ちなみに恋人のことは最初はほとんど覚えていません。うすぼんやりと少しずつ思い出していこうかなと。)
俺は3でいいかな?良ければついでに以下設定。
参考にならないだろうけd
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初瀬野美耶(はつせのみや)
24歳 162cm まったり系
北海道のプラント無保持小コロニー出身者。
彼女が居たコロニーは近隣のコロニーと協力し合って、ジェーンを殺した時の雨を貯水する事で延命していた。
聖痕が出た者は皆の為に自ら名乗り出、殺される事を受け入れるような暗黙の強制があった。
彼女とその恋人も、どちらかに聖痕が出た時は互いに殺し、殺されようという約束をした。
しかしいざ聖痕が恋人に現れた時、彼女は殺せなかった。
ジェーン化の進行は遅く、恋人は彼女が自身を殺せないと知るや二人で逃げる事を選んだ。
そうして青森コロニーを目指して逃げる途中、これから先最後の蜜月をどうしようかと夢を見るように二人が語っている時、唐突に恋人のジェーン化が進んだ。
彼女は怪物と化した恋人に為す術もなく殺され、その死体は青森コロニーまであと少しという森の中に置き去りにされる。
そして1週間が過ぎた後、その遺体に聖痕が現れた。
蒸すような森の中で身体は腐り始めながらもジェーンへと変わっていく。
彼女はそうしてリビング・デッドとなったのだ。
脳も腐り始めていた彼女が覚えているのは、自分の名前や自分があるジェーンを追わなければいけない事。
そしてもう一つ、脳に焼き付いた決まり事。
それはジェーンは殺さなければいけないという事だ。
瞼に焼き付くその姿に会いにいかなければいけない、会いたいという衝動が湧き上がってくる。
会って、そして殺さなければ――。
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(※プレイ的な面で言えば、普通に日常会話とか出来ます。金銭も持ってます。
ただ、微妙に記憶に穴が抜けていたり、水を全く飲まなくても平気だったり、そのくせ生肉を食べたがったりします。
人を襲って食ったりはしません。
ちなみに恋人のことは最初はほとんど覚えていません。うすぼんやりと少しずつ思い出していこうかなと。)
無題
あと、キャラタイプについてなんですが、
「オールマイティ」
「アスリート」
「グラディエーター」
「テクニカル」
「アデプト」
「インテリジェンス」
「アーティスト」
「ネゴシエイター」
「マーチャント」
などのタイプ分けが出来る可能性が高いです。参考までに。
「オールマイティ」
「アスリート」
「グラディエーター」
「テクニカル」
「アデプト」
「インテリジェンス」
「アーティスト」
「ネゴシエイター」
「マーチャント」
などのタイプ分けが出来る可能性が高いです。参考までに。
無題
PC2がいいなー
今イイカンジに悲劇的なキャラをイメージしてる所だお、実に執行者らしい執行者になる予定。躊躇しない系! 恨まれる上等系! 正義の使者って感じじゃなくて復讐鬼タイプ!
文章化にもうちょいかかりそう
今イイカンジに悲劇的なキャラをイメージしてる所だお、実に執行者らしい執行者になる予定。躊躇しない系! 恨まれる上等系! 正義の使者って感じじゃなくて復讐鬼タイプ!
文章化にもうちょいかかりそう
キャラ作ってみた
こんな感じかな、色々手探りだから間違ってても仕様! 後で治せばいいよねを合い言葉にざっと作った。
=============================
ソウ
22歳。
イクスに所属する執行者。
落ち着きを持ち、凛とした立ち姿。無口で無愛想。性格は真面目で、相手が誰であれ終始敬語。サラリーマンタイプの仕事人。与えられた任務を淡々とこなす、感情を殆ど表に出す事はない。
が、その実激情家であり復讐鬼。ジェーン、及び聖痕発現者を無表情に狩りながら、内心では怒りと達成感に震えている。
対象が人に近い場合も躊躇しない、死神扱いされるタイプ。
顔の右半分を長く伸ばした髪で隠している。
髪の下を覗かせる事は滅多にない。一応、人の顔をしているが注視すると違和感がある。
ファンデーションと義眼で誤魔化しているが、顔の右半分全体が傷痕になっている。
19歳の頃、家族と妹、そして恋人をジェーン災害で失った。恋人も被害者側。
その際、右半身に致命傷を負いながらもなんとか生き延び、ジェーン全てを憎むようになる。
見敵必殺、疑わしきは罰する。
世界のため、コロニーのため、問われればそんな綺麗事を返しながら、ただ復讐の為だけに彼はジェーンを狩り続ける。
相手がどれだけ強大でも、それは変わらない。
相手に意識が残っていても、それは変わらない。
相手が誰の縁者であれ、それは何一つ変わらない。
なお本名は高藤颯太(たかとうそうた)というが、知人にそれを語ることはない。
イクスの上層部や人事は知っている?
=============================
キャラ作製方を参考にざっと作ってみた。本決定は話し聞きながらの方が良さそうだあな
肉体A+B 社会にボーナス
5/2/1/1
精神:無謀
作成方法だと一つ指定ってあるけど二種類って記述も多いよねどっちだろう! 二種類なら「繊細」も。
神業
経験/心の力
特技
10点分ってあるけど特技一つにつき何点なのかしら!
得意技は全身全霊で
他イカサマ、悪運、気功、受け身なんかがそれっぽいかなーって思いながら見てるお。
技能ドコー!
固有アイテム:制服
一般アイテム
これも点数書いてないよね! 一応スペツナズナイフと防弾チョッキ持たせたいと思ってるけどんも。
あと装備にワイヤー欲しいなあワイヤー、斬武器で。ワイヤー実装されそうなら神業を罠に変えるかも
=============================
ソウ
22歳。
イクスに所属する執行者。
落ち着きを持ち、凛とした立ち姿。無口で無愛想。性格は真面目で、相手が誰であれ終始敬語。サラリーマンタイプの仕事人。与えられた任務を淡々とこなす、感情を殆ど表に出す事はない。
が、その実激情家であり復讐鬼。ジェーン、及び聖痕発現者を無表情に狩りながら、内心では怒りと達成感に震えている。
対象が人に近い場合も躊躇しない、死神扱いされるタイプ。
顔の右半分を長く伸ばした髪で隠している。
髪の下を覗かせる事は滅多にない。一応、人の顔をしているが注視すると違和感がある。
ファンデーションと義眼で誤魔化しているが、顔の右半分全体が傷痕になっている。
19歳の頃、家族と妹、そして恋人をジェーン災害で失った。恋人も被害者側。
その際、右半身に致命傷を負いながらもなんとか生き延び、ジェーン全てを憎むようになる。
見敵必殺、疑わしきは罰する。
世界のため、コロニーのため、問われればそんな綺麗事を返しながら、ただ復讐の為だけに彼はジェーンを狩り続ける。
相手がどれだけ強大でも、それは変わらない。
相手に意識が残っていても、それは変わらない。
相手が誰の縁者であれ、それは何一つ変わらない。
なお本名は高藤颯太(たかとうそうた)というが、知人にそれを語ることはない。
イクスの上層部や人事は知っている?
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キャラ作製方を参考にざっと作ってみた。本決定は話し聞きながらの方が良さそうだあな
肉体A+B 社会にボーナス
5/2/1/1
精神:無謀
作成方法だと一つ指定ってあるけど二種類って記述も多いよねどっちだろう! 二種類なら「繊細」も。
神業
経験/心の力
特技
10点分ってあるけど特技一つにつき何点なのかしら!
得意技は全身全霊で
他イカサマ、悪運、気功、受け身なんかがそれっぽいかなーって思いながら見てるお。
技能ドコー!
固有アイテム:制服
一般アイテム
これも点数書いてないよね! 一応スペツナズナイフと防弾チョッキ持たせたいと思ってるけどんも。
あと装備にワイヤー欲しいなあワイヤー、斬武器で。ワイヤー実装されそうなら神業を罠に変えるかも
出来た! シナリオの空気を読まないはっちゃけたキャラになった。
今から謝っておく。すまん。
「脱獄王のボーダーライン」神藤由真 25歳
「どうしてあんたみたいな人がこんなところに居るんだ?」
その疑問に答えるのは、ここに着てからもう何百回目だろう? 最初は、無視するか、真剣に答えを探していたその質問にも、たった一言「そういう世の中だから」と答える事を覚えてからは、まともな返事を返す事もなくなった。
15のとき、初めてこの「網走」に落ちたときは、もう私の人生は終わりだと思っていた。終わりでいいと思っていた。執行者としての最初の仕事で、私はジェーンとなった両親を殺せなかった。事情に追われてやむにやまれず手を下す事も、あれは違うものだと割り切って現実に目をつぶる事も、私は出来なかった。
あの時、私がどう思っていたのか、後悔したのかどうか、今は覚えていない。ただ、今の私なら言える。後悔はしていないと。
汗のにおい、糞尿と何かの拍子にこびりついた血のにおい、囚人のためにあてがわれた酷いにおいのする衣服のしかかるような重みと、後ろ手にまわされるような事はされていないものの、それでも私を拘束するのに十分な手錠に足枷。それらに干渉しないように、ゆっくりと体を横たえる。冷え切ったコンクリートが、体から容赦なく体温を奪っていくが、今はそれすらも気持ちいい。伸びるに任せて伸び切った髪が、泥と油にまみれてぬらぬらと光っている。
このまま寝てしまおうか、そう思ったときだった。牢越しに声をかけられたのは。
「おい。そんなんで寝ちまうなよ。風邪引くぞ」
馴染みの看守が手を上げて、立っていた。
手には、外で手に入る安物の合成酒。
「特別扱いは出来ないけどな、ここのやつらはみんなあんたに感謝してるんだ。だから、これ位はな」
「……感謝されるような事は、やってないよ」
「謙遜すんな、囚人406号がジェーンになっちまったとき、俺たちを守ってくれたのはあんただ」
「……やめてよ。ただの人殺しじゃない」
「そう思ってるのはあんただけって事だよ」
「そう、……そっか。じゃあ、今回だけ」
「そうしろ」
鉄格子に向けて歩くと、足にはめられた鎖がジャラジャラと音を鳴らす。足枷が邪魔でとても鉄格子のそばまではいけないから、そこから先は這って手を伸ばして合成酒を受け取る。
私が受け取ったのをしっかりと見て、看守は手を振って、格子から離れた。
「あと2時間は巡回に来ないから、それまでに飲んじまえよ。缶は、通路にでも投げといてくれ。俺たち、次の巡回では足元に落ちてるものには気がつかない事になってるからな」
ありがと。と口の中だけでつぶやいて、一息にあおると、缶の中には、苦々しい外の味が広がっていた。
面会に来たその男は、私を一目見るなり眉をひそめた。見たことのない顔だから、新入りだろう。
「……仕事なんでしょ? 早く済ませてよ」
「あ、ああ、失礼。依頼の内容はこの書類に書かれている。ざっと目を通してくれないか」
書類の内容はいつもと変わらない。
誰々がジェーンだから、そいつを殺すように。
いろいろ書いてあるけれど、内容はたったそれだけ。
ターゲットの名前は、浅間洋二。
読むべきことにざっと目を通して、たった一点で目が留まった。
書類に添付された写真には、あの看守が写っていたから。
そういえば、網走の中で誰かの名前を気にした事なんて、なかった。
「いつもどおり、脱獄プランはこちらで用意している。キミはその指示に従って行動してくれればいい。……どうしてキミのような人間を執行者として使うのか私には理解できないが……」
「……ねえ、ひとつだけ条件があるんだけど」
「は?」
「シャワー、浴びていい?」
滴る水が、とめどなく全身を覆っては流れ落ちていく。この身に染み付いたあの匂いはもう落ちない。私の居場所は結局、あの牢獄にしかない。
気がつくともうシャワーは止まっているのに、頬ばかりがいつまでも濡れていて、イクスにあてがわれたシャワールームを、私は出ることが出来なかった。
「脱獄王のボーダーライン」神藤由真 25歳
「どうしてあんたみたいな人がこんなところに居るんだ?」
その疑問に答えるのは、ここに着てからもう何百回目だろう? 最初は、無視するか、真剣に答えを探していたその質問にも、たった一言「そういう世の中だから」と答える事を覚えてからは、まともな返事を返す事もなくなった。
15のとき、初めてこの「網走」に落ちたときは、もう私の人生は終わりだと思っていた。終わりでいいと思っていた。執行者としての最初の仕事で、私はジェーンとなった両親を殺せなかった。事情に追われてやむにやまれず手を下す事も、あれは違うものだと割り切って現実に目をつぶる事も、私は出来なかった。
あの時、私がどう思っていたのか、後悔したのかどうか、今は覚えていない。ただ、今の私なら言える。後悔はしていないと。
汗のにおい、糞尿と何かの拍子にこびりついた血のにおい、囚人のためにあてがわれた酷いにおいのする衣服のしかかるような重みと、後ろ手にまわされるような事はされていないものの、それでも私を拘束するのに十分な手錠に足枷。それらに干渉しないように、ゆっくりと体を横たえる。冷え切ったコンクリートが、体から容赦なく体温を奪っていくが、今はそれすらも気持ちいい。伸びるに任せて伸び切った髪が、泥と油にまみれてぬらぬらと光っている。
このまま寝てしまおうか、そう思ったときだった。牢越しに声をかけられたのは。
「おい。そんなんで寝ちまうなよ。風邪引くぞ」
馴染みの看守が手を上げて、立っていた。
手には、外で手に入る安物の合成酒。
「特別扱いは出来ないけどな、ここのやつらはみんなあんたに感謝してるんだ。だから、これ位はな」
「……感謝されるような事は、やってないよ」
「謙遜すんな、囚人406号がジェーンになっちまったとき、俺たちを守ってくれたのはあんただ」
「……やめてよ。ただの人殺しじゃない」
「そう思ってるのはあんただけって事だよ」
「そう、……そっか。じゃあ、今回だけ」
「そうしろ」
鉄格子に向けて歩くと、足にはめられた鎖がジャラジャラと音を鳴らす。足枷が邪魔でとても鉄格子のそばまではいけないから、そこから先は這って手を伸ばして合成酒を受け取る。
私が受け取ったのをしっかりと見て、看守は手を振って、格子から離れた。
「あと2時間は巡回に来ないから、それまでに飲んじまえよ。缶は、通路にでも投げといてくれ。俺たち、次の巡回では足元に落ちてるものには気がつかない事になってるからな」
ありがと。と口の中だけでつぶやいて、一息にあおると、缶の中には、苦々しい外の味が広がっていた。
面会に来たその男は、私を一目見るなり眉をひそめた。見たことのない顔だから、新入りだろう。
「……仕事なんでしょ? 早く済ませてよ」
「あ、ああ、失礼。依頼の内容はこの書類に書かれている。ざっと目を通してくれないか」
書類の内容はいつもと変わらない。
誰々がジェーンだから、そいつを殺すように。
いろいろ書いてあるけれど、内容はたったそれだけ。
ターゲットの名前は、浅間洋二。
読むべきことにざっと目を通して、たった一点で目が留まった。
書類に添付された写真には、あの看守が写っていたから。
そういえば、網走の中で誰かの名前を気にした事なんて、なかった。
「いつもどおり、脱獄プランはこちらで用意している。キミはその指示に従って行動してくれればいい。……どうしてキミのような人間を執行者として使うのか私には理解できないが……」
「……ねえ、ひとつだけ条件があるんだけど」
「は?」
「シャワー、浴びていい?」
滴る水が、とめどなく全身を覆っては流れ落ちていく。この身に染み付いたあの匂いはもう落ちない。私の居場所は結局、あの牢獄にしかない。
気がつくともうシャワーは止まっているのに、頬ばかりがいつまでも濡れていて、イクスにあてがわれたシャワールームを、私は出ることが出来なかった。
ってなわけで概要。
普段は網走で囚人やっている女性。執行者としての実力はあるものの、気まぐれにジェーンを逃がしてしまうから、任務遂行率は低い。それでもイクスが彼女を飼っているのは、単純にその実力から。
世間を騒がす脱獄王という事になっているが、実際のところは任務に伴って脱獄させられているだけ。犯罪者の手を借りたなんてのはどこにとっても体面が悪いから、そういう措置になってる。
彼女の両親がジェーンになったときに彼女が無所に入れられた事は大々的に報道されているせいで、事情はさらにややこしいことに。
当人の知らないところで脱獄王とかボーダーラインとか呼ばれてる。
一応、技能は罠だのなんだの、周囲の器物を使っていつものジャッキーチェン型で行こうかなと。ミスターキートンでもいいけど。
世間を騒がす脱獄王という事になっているが、実際のところは任務に伴って脱獄させられているだけ。犯罪者の手を借りたなんてのはどこにとっても体面が悪いから、そういう措置になってる。
彼女の両親がジェーンになったときに彼女が無所に入れられた事は大々的に報道されているせいで、事情はさらにややこしいことに。
当人の知らないところで脱獄王とかボーダーラインとか呼ばれてる。
一応、技能は罠だのなんだの、周囲の器物を使っていつものジャッキーチェン型で行こうかなと。ミスターキートンでもいいけど。