貴女の記憶の片隅で ハンドアウト

ＰＣ１　フェイト　コネ　青谷月子　推奨スート　ダイヤ以外

　キミの脳には三年前に死んだ助手のＩＡＮＵＳの断片が埋まっている。

　彼女の意識がキミの脳の片隅でまだ生きているのか、それはキミにもわからない。ただ、もう冷たくなってしまった彼女をこの世に残すには他に方法がなかった。トーキョーＮＯＶＡの科学がこのまま順調に発展すればいつか彼女を取り出して、身体を与えてやることが出来るかもしれない。キミは藁にもすがる気持ちで、その奇跡にかけたのだ。

　それから、キミは白昼夢を見るようになった。

　彼女の記憶か、キミの記憶か、それはもう判別も出来ないが。

　ふとした瞬間に、過去の光景がキミの目の前で蘇るのだ。

　紅茶をキミのテーブルに置いた彼女は、

「復讐っていうのもなんかあまりピンときませんよね」

　独り言のようにそう言った。

　そうだ、あれは三年前、ちょうど彼女が死ぬ前のことだった……

ＰＣ２　カブト　コネ　三枝リィナ　推奨スート　なし

　三年前、彼女がいなくなってしまって以来、フェイトの事務所もすっかり寂しくなってしまった。

　キミはフェイトのことを気にかけながら、カブトの家業を続けている。

　今回の依頼は、あるジャーナリストの護衛だ。彼女は優秀なジャーナリストだが、いささか無鉄砲がすぎる。この都市では、危険とスクープは背中合わせ。自分の分をわきまえた彼女としては、取材に護衛のひとりもつけたいのが当然というわけだ。

　今回は、この都市で起きているアブダクト事件について取材を行うという。

「この都市では、都市伝説の六割は犯罪のカモフラージュ、三割は眉唾、後は正真正銘のモノホンよね」

　意気揚々とそう語る彼女を後目に、キミはフェイトとの話の種くらいにはなるかと考えていた。

ＰＣ３　イヌ　コネ　三年前の事件　推奨スート　クラブ

　あの事件には、釈然としない部分が多い。

　三年経った今でも、キミはまだ吹っ切れずにいた。公式には完全にカタがついているにも関わらず。

　復讐に狂った犯人は大量の殺人を犯し、しかし最後には無関係の一般人をまきこんでしまい、その罪にたえきれず、自殺した。公式の記録にはそう残っている。

　しかし、キミのイヌとしての直感は、その解決を受け入れることが出来なかった。根拠のない違和感にすぎないが、キミはその直感を信じている。

　だが、それももうすでに解決してしまった事件だ。この都市は過ぎ去った過去とどまることを許してくれない。

　イヌを呼ぶ上司の声に、キミは席を立った。

ＰＣ４　タタラ　コネ　Ｃ＆Ｐ　推奨スート　なし

　キミにはどうしようもない変人の友人がいる。みずからＣ＆Ｐと名乗るその男は腕利きの医者ではあるのだが、いつも意味の分からないことばかり言ってキミを困惑させるのだ。

　そうはいっても、彼のその意味の分からない会話に、キミはいつもつきあってしまうのだが。

　今の彼の興味は、もっぱら人の魂と脳の関係についてらしい。身体も感情も機械とデータに据え置き可能なこのトーキョーＮＯＶＡで、魂もなにもあったもんじゃないと思うが、なにせ変人の考えることだ、理由を求めてもしょうがない。

　そんな折り、キミはこのトーキョーＮＯＶＡでアブダクトと呼ばれる奇妙な事件が流行っていること知る。なんでも、人を連れ去り強引に脳に手術を行うそうだ。

　……おい、あいつ、もしかして、やってないだろうな？

　

ＰＣ５　イヌ　推奨スート　ＰＣ３

　キミはＰＣ３とコンビを組んでいるイヌだ（イヌスタイルである必要はないがね）

　今回、ＰＣ３とともに呼び出され命じられた調査はトーキョーＮＯＶＡで話題になっているアブダクト事件について。アブダクトといっても、単なる誘拐とはわけが違う。被害者は一様にこう語る。

　突然意識を失い、気がついたら家についていた。

　いつのまにか何日も過ぎていた。

　そして頭部に見知らぬ手術痕があった。

　笑っちまうが、ブラックハウンドでは真剣にハイランダー（宇宙人のほうの、だ）の犯行だという主張まで出始めている。

　幸い、ＵＦＯの目撃証言はまだない。

　キミはＰＣ３とともに、この事件の調査に乗り出すことにする。

ＮＰＣリスト

　青谷月子

　三年前に死んだＰＣ１の助手。まじめで正義感が強いが、仕事ではＰＣ１の判断を優先し自分は一歩引いていることが多い。三年前、復讐者に巻き込まれて死亡。

　三枝リィナ

　ＮＯＶＡスポのジャーナリスト、主にオカルト方面を中心に活躍する記者だが、彼女の記事で評価が高いのはもっぱらオカルトを装った実際の犯罪のリポートで、裏社会からにらまれつつある。彼女もそれを自覚しているのか、最近では取材にカブトを同行させることも多い。

　ＴＬ・ガルフォード

　ＰＣ３、ＰＣ５の同僚で、決して人付き合いが悪いわけではないのだが、他人を信じない一匹狼のイヌ。調査に関しては優秀。

　Ｃ＆Ｐ

　本名　柱鉢みきやす

　ＮＯＶＡ有数の病院に勤める脳外科医で、サイバネティクスにも明るいが、自分の研究にしか興味が無く、医者の仕事も人体実験と称してはばからない。結果助かっている人がいるので病院側も変人として持て余している。